ペット

2018年4月10日 (火)

釣り針事件のシーズン到来

 犬のポンちゃん4ヶ月令が海岸端を歩いていて釣り針を飲み込んでしまったよう
 
だと駆け込んできた。

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 急ぎレントゲン撮影で確認すると咽頭直下に釣り針が存在していた。

麻酔下で口腔から摘出処置を開始すると、左側披裂軟骨に出血が見られ、鉤状

の器具にて食道を探査するとわずかに残った釣り糸とともに針が反転してきたが

予想通り返しの部分で粘膜に食い込んでいて、針を2分割して除去終了となった。

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 釣りにも散歩にもいい気候になると、このような事故が多発する。

開腹・開胸手術をやむなく選択する必要のある症例もこれまで経験してきた。

 犬には餌しか見えておらず、中に釣り針が入っているかもしれないという想像は

できないため、海岸べりを犬と散歩する際には十分に注意を払ってほしい。

 

 

 

2018年4月 9日 (月)

ワインちゃんの聴力回復

 ワインちゃん 12歳雑種犬が約半年間の聴力低下で困っていたが、内視鏡下
 
処置により3日後から聴力回復して呼びかけに反応するようになった。

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 耳垢と毛が固く塊状になったものが鼓膜にピタッと張り付いていた。

生理食塩水で洗浄と水圧による付着部の軟化によりようやく挟まりこんでいた塊

がポロっと取れてきた。

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軟化していてもまだ硬いままの塊。

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鼓膜の下方に塊が固着していたことによるせん孔が認められた。

洗浄液回収後に多血小板血漿(PRP)を注入して終了したが、このあと3日後に

は聴力が回復したことを再診時に飼い主さんが嬉しそうに教えてくれることになっ

た。

 聴力低下や難治性の外耳道炎があるときはこのような内視鏡的処置が功を奏

することがあるので是非相談してほしいものだ。

 

 

 

2018年1月27日 (土)

ネコの大腿骨遠位成長板骨折

 ネコが屋根から落ちてびっこをひいているという。
 
離島から送られてきたために早急に治療してお返ししたいものであるが。
 
一般状態の改善を待って一気に検査・手術に入るため麻酔下での管理を始める
 
なんと30年選手のレントゲン装置が故障で使用不能というハプニングが発生した
 
触診で骨折には間違いないので手術に入ると、

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若いネコに多い遠位成長板での分離骨折であった。

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 内側に近位骨折端、外側からアプローチした膝関節切開創に分離した大腿骨

滑車が見えている。

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拘縮した筋肉のストレッチをしながら、なんとか骨折端同士を合わせてクロスピン

を打つところまでできた。

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治癒促進のためのお約束の細胞治療である多血小板血漿をゲル化して骨折端

に挿入して無事に手術終了となった。

 1週間後に離島出張診療で再診するとすでにこの足で十分な負重ができていて

回復の速さに驚く。

 

 

 

 

2017年11月17日 (金)

前腕骨折 ミッキーちゃんの場合 2

 ミッキーちゃんの骨折治療がようやく終了となる。
 
段階的に1本ずつ髄内ピンを抜去して本日キャスティング材も除去可能となった。

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プレート手術ではこのように旺盛な仮骨増生は難しく、プレート除去のタイミングを
 
迷うものだが、PRP・ピンニング・キャスティングの組み合わせの本治療方法だと
 
仮骨増生が旺盛で安心感がある。
 
このあと仮骨が吸収されて髄腔も再疎通し、健康測と同様の元通りの骨の形に
 
リモデリングしていく。
 

2017年10月21日 (土)

新生児眼炎からの瞼球癒着の形成手術

1歳弱のネコちゃんが避妊手術を受けるにあたって、幼少時期からの眼の不具合
 
同時に手術することとなった。

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瞼と眼球周囲の結膜やら瞬膜やらが一緒くたになって角膜とくっついている状態。

これは新生児眼炎から生じる線維性癒着であり、丁寧に顕微鏡をのぞきながら

癒着をそっとはがしていく地道な作業を続けていくときれいな角膜が現れた。

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治癒促進のためのお約束のPRP(多血小板血漿)を球結膜嚢内に注入して対側

も処置するが、こちら側の方が癒着がひどくて難航するが、瞬膜の形も整って無事

終了することができた。

 これで視野が広がって生活がしやすくなることだろう。

 

 

2017年10月13日 (金)

胃の中にゴムバンドの塊

2歳の犬が1週間超の頻回嘔吐の症状で転院してきた。
 
若い犬は何かと誤飲するもので、検査すると、、、

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✕線不透過性の強い、なにやら異物のようなものが見える。

✕線画像セットの向きは世界標準の逆を行く左右反対(^^)

直ちに開腹してみると、

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ゴムを束ねたものを繊維で巻いているヘアバンドに使用するようなゴムが大量に

絡んだものが出てきた。

犬の習性で飼い主のにおいのするものは食べてしまいたいという欲求があるよう

だ。

犬が床を舐める理由の一つに飼い主の毛を食べることがあり、それが毛球に

なることもある。

2017年10月12日 (木)

前腕骨折 ミッキーちゃんの場合

6ヶ月で体重10キログラムの犬の前腕骨折があった。
 
受傷後すでに2日間が経過している。少しの高さから転落しただけという。
 
すぐに検査・手術を一気にしてみると、

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撓骨は筋肉の深い部分で、尺骨は斜め骨折して治すのに骨が折れそうな折れ方

をしている。

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開創して筋肉のストレッチをしながら骨を合わせてみる。

橈骨・尺骨とも時間はかかったがなんとか整復位に持ってこれる。

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 手術前に採血しておいた本人の血液から多血小板血漿をゲル状に加工して

これを骨折部位に充填すると治癒過程で骨増生が活発になる。

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髄内ピンを挿入してキャスティング固定して終了とする。

 この先数週間ごとに1本ずつ抜ピンして最終的にキャスティング解除する間に太

い骨になって治癒する。

 

 

 

2017年8月29日 (火)

前腕にできた瘤の摘出

 ラブラドールのラッキーちゃん12歳の前腕に約半年前よりできた瘤が最近大きく
 
なってきたため摘出手術することとなった。

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毛刈りすると、前腕の大きい静脈へ側副路が侵入している様子が目立っていた。

炭酸ガスレーザーと電気メスの組み合わせでいつも通りサクサクと、というわけに

もいかず、出血が多く難航する。

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 予定通りの切開ラインで摘出・縫合まで可能で、念のためのPRP注入して

縫合終了とする。

 まさに足取り軽くなってオーナーとともに帰宅したが、病理結果が気になるところ

である。

 

2017年8月 5日 (土)

下腹部にできた大きな腫瘤

 発見後2か月放置していたが、急速に大きくなったために手術依頼をされた下腹
 
部の腫瘤。
 
 いつものことだけど、もう少し早く処置をさせてくれると動物も獣医師もラクなんだ
 
けど。

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 未避妊のメスで生殖器に近いので性ホルモンに関係しての腫瘤かもしれない。

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 炭酸ガスレーザーと電気メス併用でも多数の血管が入り込み止血に忙しい手術

となったが、比較的スムーズに摘出可能であった。

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 円を縫合すると直線となり、傷は大きく見えるがなんとか縫合可能となった。

どういうタイプの腫瘤なのだろうか、病理検査を待とう。

 

 

 

 

2017年7月31日 (月)

釣り針事件

 
 夏場になると多発する釣り針誤飲事件が発生した。

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すでに胃の中に存在する。

 釣り餌が付いているために犬は釣り針が入っているという認識はなくパクっと飲

み込んでしまい、こういう悲劇が起こる。

 かろうじて残ったテグスに縫合糸を加えて筒状の各種外套を挿入して針を外そう

と試みるも全く動かないため、内視鏡の出番となる。

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 針には必ず「返し」が付いていて粘膜にしっかり食い込んでいた。

処置具で何度か針を触っているうちに胃粘膜からは外れたが、次に食道粘膜で

再び引っかかってしまった。

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 同じようなことを繰り返して最終的には無事摘出することができた。

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 過去何度か胃内にまで到達した釣り針を口から摘出しているが、釣り糸が

掴めて、それに縫合糸を結びつけることが可能であれば、さまざまな外套の利用

で単純に摘出することができるし、内視鏡を補助に使用する場合もあるが、開腹

手術まで必要としないで摘出できることがほとんどである。

 

 

 

 

 

 

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