撓尺骨骨折 チョコちゃんの場合
8カ月齢のトイ・プードルのチョコちゃんが高さ約1メートルのテーブルから落下直
後よりビッコをひいていると来院した。
いつものように麻酔下で一気に検査と処置まで実施してみると。
手根関節から3センチの位置で骨折しているが、なんとか骨折端は互いが乗っ
かっていて、すれ違うほどの変位はない。
こういう場合はキャスティングの際のモールディングで変位を矯正することに
よって整復位が保たれる。
お約束の多血小板血漿(PRP)を注入してのちにギプスの下巻きを巻いて、
モールディングにより骨折部位を整復位に矯正すると、
骨折端が嵌り込み、ほぼ良好な整復位が得られた。このあと線維性癒合の間に
再び矯正モールディングにより、より整復位へ近づけることができ、また生体の持
つリモデリングの作用によっても本来の骨の形状に近づいていくことが証明されて
いる。
ただし、最初の2週間は再変位しやすいため厳重なケージレストが必要である。
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