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2015年6月15日 (月)

股関節脱臼 2015/06

 ヨーキーのベリーちゃん4歳が股関節脱臼で転院してきた。受傷後すでに5日も

経過しているが、さてどこまでしてあげられるだろうか。

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 なんとか整復できたのちに関節を圧着したまま数10回スイングして関節構造を

なじませる。

 破壊された間節包・円靱帯・間節周囲筋肉等の損傷修復のためにPRPすなわち

多血小板血漿を作成し関節内に注射する。このとき損傷修復しようとして関節内

には滑膜由来間葉系幹細胞が正常時の100倍程度増加していることが分かって

いる。

 PRPには幹細胞を活性化する作用のある成長因子が豊富に含まれているのだ

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先に採血しておけば処置になれた看護師さんが手際よくPRPを作ってくれるので

その間整復に集中できる。

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 安静になどできない犬がそのままの生活をしていると再び脱臼するのは当然

で、脱臼しにくい方向に後肢を固定する方法に先人が開発したエーマースリングと

いう包帯法があり、その変法を自分で試行錯誤して適用している。

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 ほどよく固定できていると犬は外そうとはしないもので、カラーなしでも十分持つ

ことが多い。

 このまま2週間以上固定していると当初破壊された関節構造が修復される。

4か月前に本法を適用したテリーちゃん2歳もすっかり自由に歩き回れているが、

もともと先天的に股関節のハマり方の緩い子も存在するので注意が必要である。

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