脂肪腫摘出にPRP適用
9歳のバーボンちゃん去勢オスの胸前にしこりができたため摘出手術をすること
となった。
円い腫瘍を摘出するとこれを直線状に縫合するとなると皮膚に無理が生じてくる
ものだ。まして床面に接地する胸前なので、癒合促進のためPRP・多血小板血漿
を作成することとなる。
術者が手が離せないでも看護師さんたちがテキパキと作成してくれるので助かる
注射用塩化カルシウム剤をアクチベーターとしてガラスシャーレ内でゲル化し、
創腔の形状に合わせて加工する。
種(細胞)-畑(足場)-肥料(サイトカイン)のように再生医療のたとえをすること
が多いがPRPはサイトカインの玉手箱のようなお宝物質であり、これを創腔に置く
ことによって周囲の脂肪組織等に存在する間葉系幹細胞等が働いて創傷治癒促
進をもたらす。細胞培養施設は不要で遠心分離機があればどこの施設でも可能
な再生医療である。
この7-8年の間に本治療法の恩恵を受けた動物はどれくらいになったことだろ
う。
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