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2012年10月 6日 (土)

下腿骨骨折

 ブルテリアのハッピーちゃんが下腿骨を骨折し、飼い主さんは手術をしないで治

してほしいと希望するが、骨折の仕方がひどいようだ。

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 骨幹ほぼ中央での多発性骨折。 しかし全体の変位はそう強くない。

7歳という年齢と16キロの肥満体から、通常は手術が選択される、と説明する

が、やはり外固定を強く望まれるため自宅での厳重なケージレストを約束させて

PRP注入併用のキャスティングを実施してみた。

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 骨折ラインに沿ってPRPを注入する。

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 もともとのブルテリア特有の体型に加え、肥満が重なり、ギプス固定しにくい

ことこのうえない。

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 こういうときはしっかり体幹にギプスを固定させる必要がある。

しかし肢端は出しておく。こうすることでギプスへの自己傷害が少なくなることと

早期負重を促して結果的に化骨増生を増強することが可能となる。

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 骨折断端の総面積が大きいことは逆に初期癒合に必要な細胞が豊富にある、

ということだが、いかに線維性癒合までの間、断端の不動化を保てるかが

大切である。

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 ワンシュウの型、という趣のある型を教えていただくことになった。

これまでに習ったセーサン・アーナンクーと異なり、とても雰囲気のある型で、

その昔、冊封使のワンシュウという中国人に由来する、と教ていただいた。

 今から300年以上前より編み出された由緒正しい型を現代の中年オヤジが

尊く学ばせていただく、そんなご縁に感謝しつつ軸足で痛くなる左足をさすりなが

ら、これからじっくり取り組んでいきたいものだ。

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