なかに膀胱が!の直腸脱
ボンガちゃん13歳が飼い主さんのご旅行中、ご近所のペットホテルで具合が
悪くなった。お尻から赤黒いものが出て、元気がないという。
直腸脱で、触っているうちに容易に直腸が裂けて中から膀胱が出てきた。
本来膀胱は骨盤腔の前に位置するのに、おかしい。
国際便に搭乗間近の飼い主さんと連絡が取れて聞いてみると、数年前に
会陰ヘルニアで手術歴があるとの聞き取りができた。最近体調不良を感じて
検診は受けていたというが、これは飛び出さない限りはわかりにくいだろう。
直腸憩室と反転傾向のあった膀胱のふたつがこのような態度をとったのだろう。
尿カテを留置して、膀胱減容積をし所定の位置に戻して、直腸を縫合。
便は通過できるが、直腸の反転は許さない、ぐらいの心持で巾着縫合して終了。
一夜明けて元気な表情になったボンガちゃん。
基本動作に続いていくつかの技を教えていただいているが、すべて口伝であり
テキストのようなものはない。
最初は不便を感じたが、師範や師範代が何度も丁寧に教えて下さるし、他の上
級者、と言っても中学生が多いのだが、彼・彼女らに教わりながら少しずつ覚えて
いく過程が、すごく尊いと感じるようになって来るのが不思議であり新鮮である。
現代のマニュアル社会ではマイナーで、貴重な体験だろう。
この年齢になって中学生にものを教えていただくという経験ができるのもいいで
はないか、としみじみ感じ入る中年拳友。
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