犬の直腸がん その2
4月22日にここで紹介した直腸がんの犬について、その後活性化自己リンパ
球療法を併用している。
3年前に腺腫だったものが、
1年弱の治療でここまで回復して、飼い主さんと喜んだのだが、、、、、。
今年症状が再発し、4月22日に腺がんとなっていることが判明。
以前の治療方法に加えて、自己リンパ球療法も実施することになった。
CO2-インキュベーター内での培養のようす。
IL-4や抗CD3抗体など、リンパ球を選択的に増殖させ、活性化するサイトカイン
などが炭酸ガス透過性のバッグの中に含まれている。
おおむね2週間後には約1000倍に増えた活性化自己リンパ球を移植することが
できる。
採血・培養・移植を繰り返していくことで、免疫細胞治療効果を上げていく。
注射器内で白く濁っているのがリンパ球であり、超生体染色により、活発に動く
リンパ球が顕微鏡下で観察できる。
かりに完全縮小まで持って行けなくても、固形がんの休眠状態が得られればよし
として、なにより生活の質を上げ、それを維持していくことに主眼をおいていく療法
である。
「移植後1週間目あたりから、便の形がよくなってきて、全体にいい感じ」 と、
いちばん動物をよく見ている飼い主さんから感想をいただいた。
6年前の病院移転時、植栽に自分で植えたタイワンレンギョだが、梅雨が明け
たこの時期に紫色の小さい花をつけて目を楽しませてくれる。
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