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2010年6月18日 (金)

起立不能になった犬

 3歳半のフレンチブルが幼犬とはしゃぎまわっているうちに急に起立不能となっ

た。夜間救急で診察を受け、翌朝来院した時にはまったくの起立不能状態となっ

ていた。

 4日前より、当初一日2回注射をして徐々に好転し、昨日から一日1回の注射と

内服療法に切り替えていた。

 本日来院された時には自力起立可能で排便排尿も自由となった、と飼い主さ

が一安心されていたようすであった。

Imgp0819

まだ後肢の負重が十分ではないものの、自由に起立可能となっている。

CPといって、意識下での固有受容感覚は遅延が認められるが、当初犬座姿勢で

疼痛のために悲鳴を上げていた状態からは想像できないほどに回復がみられる

こととなった。

Imgp0824

半脊椎症とか二分脊椎症と呼ばれる、フレンチブルに多い脊椎の先天異常であ

る。

それが1箇所だけでなく、複数個所に見られ、不安定性が大きいために脊髄の

圧迫・損傷が起きたものであり、外科的に治療するにも困難をきわめることが予

想される。

内科的に治癒、再発防止が図れればそれに越したことはないのだけれども。

 いずれにしても、避妊・去勢手術など麻酔下での処置の際に、ついでに確認の

ために脊椎のレントゲン写真を撮影しておくことが、この犬種には必要なことかも

ない。

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