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2010年6月22日 (火)

膣壁にできた腫瘤からの出血

 1か月ほど前から不正出血があり、貧血と低タンパクでだんだんと元気がなくな

ってきた12歳メスのラブラドールレトリバーについて、輸血しながら慎重に手術し

てみると、ふだんそう多くは経験しない病気であることがわかった。

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手前側に子宮角があり中央部分が膣壁で向こう側に膀胱が見える。

膨らんでいる膣壁を切開してみると、大量の凝血塊を除去した後に、見えてきたも

のとは?

Imgp1765

膣壁からなにかできているようだ。触診すると非常に硬く触れる。

Imgp1767

なんとか反転させて術野に出てきたのは、膣壁から発生した巨大腫瘍であった。

基部で切除し、出血点を処理して、外陰部からも確認すると、小腫瘤もいくつか

散発していて、これらも切除し止血確認後に閉腹した。

 病理学検査の結果次第ではあるが、排便困難や貧血が改善され、生活の質は

おおいに向上するものと期待される。

 2時間半の長時間手術になったが、だらだらと垂れ続けていた出血が停止し、

覚醒後2時間でチキンを食べてくれたので手術後の状態としては良好である。

 超音波検査では、均質な低エコー物体の貯留にしか見えなかったマスの中で、

このようなことが起こっていたとは。 

 開けてみないと実体がわからない、ということもまだまだ体験することになりそう

なところが、この仕事が楽しい理由のひとつなのかもしれない。

Img_0010

悪性度の高くない平滑筋腫という結果が返ってきた。

腫瘍の性格そのものは悪くなくても、占有する場所、大きさ、血管の破たんなどの

2次障害のために全身状態が悪化することがある、という教訓になる。

予後については家族にとって安心できるものである。

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