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2010年2月13日 (土)

イタリアングレーハウンドの骨折・その後

 

以前にここで紹介した、イタリアングレーハウンドの前腕骨折の子が来院した。

 

 1月20日が初診で、ただちにキャスティングとプレ・ゲルPRP注入併用療法

実施し、その後おおむね1週間ごとに診てきたが本日で23日目となった。

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手根直上の骨折でひどい腫脹と変形

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 体重4キロのイヌなので、骨はレントゲンでは大きく見えても実際はかなり小さ

く、骨折端直上で 最大幅7mm厚み3mmしかない鉛筆より細い骨である。

 

 髄腔にピンは入らず、プレート法にもシステムを作り出したA/O自身が指摘す

るとおりに大い題があって、もし一度失敗すると癒合不全にまで至ることの

多い、不安がつきまとう方法である

 

 以前はマイクロプレートなどを使用して数多く実施したが、思わぬ縦折れがあ

ることが開けてみてからわかったり、今回の症例のように遠位にほとんどスクリ

ューを打つ範囲がないときなども非常に困ったものだ。なにより大きく開創する

のでそれだけでも癒合不全の原因になりやすい、という欠点があった。うまく

手術できても化骨量は少なく、またプレートをそのままにしておくと、金属に負重

刺激が奪われて、しだいに骨がやせていき、プレートの上下どちらかで再骨折

するという、あとあとも心配な方法であって、こちらの指示通り来院することの

ない沖縄向け(?)でないことが次第に判明してきた。

  

 さて、残るは創外固定か古典的なギプス固定かと、これまで、ことほどかよう

先達の獣医師たちが悩んできた骨折箇所である。

 創外固定もガブリル・イリザロフという旧ソビエトの整形外科医が1951年に

発明したイリザロフ法に端を発しているので、これも歴史は古い。旧ソビエトに

おられたので欧米に広まるのが遅かったようだ。

 ときおり立ち止まって、古いものを回顧するのもいいのかもしれない。

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 なんとかここまで整復・固定できたが、腫脹が激しかったせいもあって、ギプス

内で骨がずれていく。2日後に巻きなおししたが、巻きなおしは翌日でもよかっ

たかもしれない。

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 本日ギプス解除後。アラインメントは良好で、不動化が得られて、ゆるぎない。

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 尺骨は体面しているが、橈 骨はナナメ骨折のままずれて癒合している。

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 橈骨の背側方の骨膜性化骨が頼もしいくらいに増生しているのはPRP注入

の効果と思われる。このあとのリモデリングが想像できるラインが見えている。

 

 古典的なキャスティング法と新しい技術であるPRPのコラボで生物学的癒合

が導かれた。

 

 健肢と患肢を比べると、肘頭ー手根掌球 間 13.5mmと同じで、脚短縮は

かった。

 ここまでくると、負重することによって、化骨にミネラル沈着が進んでいき、

丈夫な骨になっていく。

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 ギプスが外れて軽い気分になっているようすだ。

 このあと2週間は室内で安静維持し、その後軽い散歩から始めていく予定で

ある。

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