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2009年12月11日 (金)

犬の肺動脈狭窄症

 トイ・プードルのモモコちゃんが、初回発情時に体調をくずして、来院した。

 11ヶ月のメスで、体格は小さいものの、これまで特に問題なく過ごしていたよ

すである。 

 飼い主さんのご心配に押されて、諸々の検査をしてみると、、、、、。

 

 総胆汁酸やアンモニア値が異常高値で出てくるが、食事前・後の差がほとん

ことにひとつ疑問が残る。

 

 これまで、食後に気分が悪くなった、という門脈体循環シャント特有の症状も聞

かれない。

 

 次にエコーにより充分な検査をしてみようと、麻酔下でまず身体検査をしてみ

と。 なんと頚静脈の怒張が著明であった。

091207watada_010

 

 これは右心系の圧力が正常より高く、静脈還流不全で血液が滞っている合図

ある。

Watada

 

そこで心電図をとってみると、

091207watada_014

 

 心不全とくに、右室肥大が出てきて、頚静脈の怒張と符合する。

 

 さらに検査すると、肝臓は小さめながらも門脈はしっかり入り込んでいる。

 心臓超音波で右室壁の厚みが増し、肋間が狭すぎて肺動脈の狭窄と後拡張は

残念ながら不鮮明ではあったが。

 

 総合的に判断すると、心雑音の聴取できない肺動脈狭窄症で右心不全から肝

を来たして胆汁うっ滞、これが血中に逆流して胆汁酸の高値を示している、

ということを幼少期より起こしているために、高値に身体がなれてしまい、症状が

出ないのかと、推測できる。

 

 発情期のエストロジェンも肝臓で抱合・処理されるので、今回処理速度が遅延

して食欲不振などの症状を示したものと推測される。

 

 低アルブミン血症もあって、今後は、タウリン・リーバクト・モニラックの処方で

様子を見ていくことになった。

 

 人では小児外科手術適応の先天性心疾患である。

 

 

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