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2009年11月20日 (金)

犬のアレルギー検査

 毎日の診療の中で、もっとも多い病気はなに? と聞かれると、ほとんどの獣医

さんが 「皮膚病」 と答えることだろう。

 

 そのなかでも、難治性で、飼い主さんも獣医さんも困っているのが、アレルギー

性皮膚炎である。 もちろんもっとも困っているのは、夜も眠れないほどの痒みに

よって、生活の質が低下し、皮膚もココロもボロボロになっている本人(犬)であり

本当にかわいそうな病気である。

 

 IgE というアレルギーに関係する抗体の関与するもののなかで、

                  特に環境のアレルゲンが原因のアトピー性皮膚炎と、

      同じく IgE が関与する食物アレルゲンが原因の食物アレルギーと、

IgE でなくてリンパ球が関与する食物アレルゲンが原因の食物アレルギー、

                        の 大きく3つに分けて考える、ことになる。

 

 いずれにしても、免疫反応が過敏に起こることによって、自己の生体によからぬ

反応が起こっていると捉えて、この10数年、毎日の食事内容を改めることによっ

て、アレルギー性皮膚炎に対処してきた。 

 免疫担当細胞の調整力を強めることによって、過敏な反応を生じさせない、とい

う狙いである。と同時に皮膚のバリア機能の向上に食事は大いに関係するため

もある。

 

 しかし、1割近い犬でどうしても完治させられないグループがある。

 

 これまでは、コマーシャルベースでの依頼検査が IgE のみであった。しかも

会社によっては、IgG にも反応している項目もある?ようなウワサもあって、これ

とこれまでに食べてきたものすべてに陽性が出るのでは?などというIgEが微

定量試験であるがゆえの、はかなさみたいなものを感じていたのだが。ちなみ

に g の1000分の1が mg、 mgの1000分の1が μg、 μgの1000分の

1が ng という気が遠くなるほどの微量の世界の話だ。

 

 動物アレルギー検査株式会社なる専門の会社ができて、そこでは、IgE検査は

より精度の高い定量検査が可能となり、これまで IgE検査だけではカバーできな

かったンパ球反応検査までしてくれることになって、食物アレルギーの病因がよ

り鮮明になった。

091120_004

IgE検査では右欄の牛肉から米まですべて陰性であるが。

091120_003

 

なんとリンパ球反応試験では食べるものがないくらいに多くの項目で陽性が出

いる。

 この子はペットショップにいるころからすでにアレルギーの薬を処方されていた、

いま4才のシーー犬。

 転院したのち、手作り食でかなり好転するも、薬を手放すことができないでいた

のだが、この結果をもとに食事改善してさらによくなることだろう。

 

 免疫が関係する病気は、若いうちはアレルギー、もう少しすると自己免疫疾患

(免疫介在性疾患)、最後に腫瘍、という出現パターンであることを、多くの年代の

動物を毎日診察するなかで感じる。

 

 免疫力を常に高める毎日の生活習慣、特に食生活が大切で、普通に手に入る

ドッグフードははたして免疫学的に完全栄養食なのだろうか?

 

 

 

 

 

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