古くて新しいキャスティングの可能性
キャスティングは本来ならば、肘から下と膝から下の骨・関節に適用されること
が多い。これは骨・関節周囲の筋肉量が少なくて、、治療期間中に外固定による
損傷部位の安定化が図れるからである。
幼若動物では治癒期間の短縮が望めるため、例えば大腿骨遠位端の骨折など
もキャスティングが可能である。
この骨折もよく経験する骨折である。
大腿骨遠位で骨折して、近位骨折端は皮膚を突き破ろうとするほど前方へ変位
する。まれにしっかり突き破る開放例もある。
用(徒)手整復後にキャスティングしたところ。 (写真の一部に白い汚れがあり)
膝蓋骨前面上方に矯正的なモールディングをかけた凹みがわかる。
直線的なギプス形態になるためにズレ落ちない工夫を2重3重ですることになる。
股から大転子近くまでのキャスティングとなる。
最低10日くらい維持できれば、すくなくとも骨折端が再度離開することはない。
開創することなく、金属を入れることなく、治癒にいたるので、動物にやさしい
治療といえるだろう。
不思議な実を付けるゴールデンシャワーの木。 久米島で。
ゆいれーる県庁前駅下の川沿いでも風に揺れている。
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