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2009年11月27日 (金)

創傷治療の進化

 

 創傷の治療方法が変化してきた。

 

 先のブログ (劇的ビフォーアフターな創傷治療) でも紹介したが、損傷部位に

消毒薬を作用させず、乾かさないで閉鎖的に保護的に損傷部位を維持するこ

とによって治っていくスピードが飛躍的に早くなった。

 

 椎間板ヘルニアによる脊髄損傷の後遺症として時折、残存する知覚神経の痒

み感覚のみが亢進して、痛み感覚がないためにか、自傷行為をする犬がる。

 

 自分のペニスや後肢をかじって、原型をとどめないほどになる場合を経験する。

 

 この子も一晩で足をかじって先っぽがなくなり、創傷治療のコントロールが不安

ということで転院してこられた。生理食塩水でしっかりと洗浄とデブライドメント後

にプラスモイストという保護剤とオプサイトフィルムロールというフィルムでラッ

プして、さらにクッション材を巻いて、と、そんなことの繰り返しの後3週間後には。

091126_011

 

 

なんとか今後の目途がたった。取れるべきものは取れて、残るべきものは残り。

趾骨がすこし見えているが、この1週間前よりはずっと肉芽が盛り上がってきた。

このあとは、上皮化を待つ。

 

 痒み・痛みが遠のくのもこの湿潤療法の利点であるが、このような症例では

防的に神経ブロック療法などの適用によって、痒み感覚をブロックして自傷を防ぐ

ことも今後の課題として残りそうである。

 

 閉鎖療法の唯一の欠点といえば、治っていくときのニオイであろうか。初期に不

要な組織が脱落し、肉芽が盛り上がっていく時になんともいえない臭気がして、

飼い主さんが足が腐っている、とあわてて病院に駆け込むこともあるので、途中で

ニオイがしてきますよ、とあらかじめ説明しておく必要があるほどだ。

 

 同じ日に来たネコちゃんで、なにかに強力に腰の部分を巻かれていたのか胴体

の半周に損傷があった。ノラちゃんで、これまでの経過不明であった。

091126_013

 

 日にちが経っていそうで、肉芽の盛り上がりがあるし、一部上皮化が進んでいる

所もある。

 生理食塩水で洗浄後にやはりプラスモイストとフィルムでラッピングする。

091126_021

 あと2-3回で治療終了予定だが、エイズ/白血病を持っているとこの限りでは

なくなるのが、ノラちゃんのつらさである。

 

 

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