両前肢骨折のチャ○ちゃん その23日後
以前にここで紹介した、前肢を両方とも骨折してしまったポメのチャ○ちゃんが
本日検診にやってきた。
ギプスのまま元気に走りまわっている、との飼い主さんのお話を聞いて、おうち
での様子が眼にうかぶようだ。
ケージレストは指示しているが、様子を見ながら少しずつ遊ばせているかもしれ
ない。
全身検査をすると、この前から気になっていたのだが、7ヶ月になってもすべて
の乳犬歯が残っているのと左下顎の永久犬歯が舌側へ偏心している。すでに
不整咬合になっているので、この矯正処置まで、今日実施しましょうと、お預かり
になった。
初診時 (23日前)
左肢 (向かって右) は小切開エレベーション法とPRP併用
右肢はキャスティングのみで整復・固定後
本日、ギプス解除後、触診・他動しても化骨が充分でまったくゆるぎない。
レントゲン像でも充分量の化骨増生が確認できる。すでにリモデリングの準備に
まで進んでいるのかな、という、背側方の化骨の動きがある。
プレート法ではこの期間にここまで化骨ができることは期待しにくい。
左下顎永久犬歯の舌側の歯周をすこしエレベーションして、そこに乳歯の歯根を
加工してクサビ状に打ち込むことにより、頬側に矯正した。
撮影後にさらに深く打ち込んだ。
獣医歯科では一度に矯正可能のために容認され、多用されている方法である。
本日帰宅前のようす 軽いめのギプスになり、肢の着き方も、楽になっているよう
だ。あと1週間から10日後にはギプスが取れる予定。
台風20号は去ったが、かなりの恵みの雨をもたらしてくれた。
きっと今ここは、チョー・マディ(方言ではない、とてもドロンコの意) だろう。
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