久米島行
昨日は久米島診療日だった。
シルバーウィークの真っ只中のため空港駐車場は満車で、やむなくマス外駐車
をして出発ロビーへ急いだ。3階のロビーはエスカレーターを上がったところでもう
ごったがえしていて、観光客をかきわけて器械の前に立ってチケットを受け取るの
ももどかしく手荷物検査所へ走るがここもたいへんな混雑ぶりである。ようやくゲ
ートの前までたどりついたら飛行機までのバスへの案内がもう始まっていたが、
今回の出張はここまででもうキモチが疲れてしまっている。
RACのパイロットの粋なはからいなのだろう、ハテの浜上空を遊覧飛行のよう
に旋回し米軍基地がお休みなのか、いつもと異なるルートで久米島空港へ着陸し
た。この間ずっと視界に恵まれて、気持ちのいいフライトを楽しめた。プロペラ飛
行機ならではの低空からの眺めはいいものだ。さっきまでの朝から疲れたキモチ
はもうすっかり吹き飛んでいたから、単純なものである。
そして、子供の時の夢はパイロットになることだったなあ、と絵のような窓外を見
ながら思い出して、ひとり笑っている自分がいる。
空港に着くといつもの小型乗用のレンタカーがすべて出払っていて、10人乗り
のワンボックスカーを同じ料金で使ってくれ、と言われた。1人で10人乗りなので
いまどきのエコ意識からはとても抵抗があるのだけれど、これしかないということ
でまあしかたがない、と走らせて見ると、高い運転席からの、これまたいつもと違
う島の風景が見えて、楽しいものだ。
さて、パイロットになれずに獣医になった自分が島に病院を作って、まる5年にな
った。 朝から犬や猫を抱えて、病院が開くのを待ってくれているおおぜいの飼い
主さんたち。 素早く掃除をして、書類を広げ、また2週間ぶりの診察が始まる。
国からいただいたライセンスを最大限活かせているだろうか、と自問しながらの
獣医師人生だが、この島に来ると、喜んでいただいている実感がたしかに伴う。
お昼前に、友達のナカムラ先生が訪ねてくれた。島で産業動物を診ている獣医
師であり、島のイベントにかかせないバイオリニストである。いっしょに症例の話を
して、診察・手術後に食堂に移りお昼をいただきながらもまだ治療の話に熱中す
る二人であった。ひとりで診療していると迷うことも多いだろう、わたしが行くといろ
いろと試行しながら、より動物と飼育者によい方法はと、一生懸命考えて診療して
いることのヨモヤマを話してくれて、わたしも勉強になるのでいつも嬉しいんです
よ、ナカムラ先生。
ともに獣医師として社会のお役に立つように、がんばっていきましょう。
多くの動物を診て、多くの飼い主さんとお話ができて、重たい身体と充実した
ココロで帰路に着いたが、帰りの飛行機はジェットなのにほぼ満席とやはりシル
バーウィークならではの混雑ぶりであった。
アーラ浜から島尻の丘
ヤドカリさんも一生懸命だ。
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いつもお疲れさまです。
こちらこそ貴重なお話いつもありがとうございます。
なかなか1人で迷うことばかりですが、今後ともよろしくお願いします。
アーラ浜いいですよね!
今度はこの山の向こうの島尻の海岸も是非見に行ってみて下さい。
投稿: ナカムラ | 2009年9月26日 (土) 13時46分