« 時代を感じる | トップページ | 背筋痛 »

2009年8月25日 (火)

話せない動物

 当然のことだけど動物は話ができない。

 

 動物同士のコミュニケーションは音、ニオイ、態度などで成立しているのだろう

が、人と話ができないで困る場面が、動物診療ではやはり多すぎる。

 

 昨日診察したミニチュア・ダックスのカ○くんは、口の異常で精密検査をしたとこ

ろ、歯肉が原発であると思われる、口の中いっぱいいっぱいに大きくなった腫瘍

があって呼吸、嚥下ともに非常に困難な状況である事がわかった。それ以上の検

査、外科的行為をするための安全確保としての気管へのチューブ挿入も不可能

であった。いくら成長の早い腫瘍とはいえ、ここまでなる前に、数ヶ月前から口の

異常を示すサインはあったはずだが、そこそこ元気食欲がいいと見逃されてしま

うことになる。

 

 これがヒトであればどうであろうか?なんとなく口の中が気になるんだ、モノが噛

みにくい、飲み込みにくいんだ、呼吸がしにくいなどなど、病勢に応じた訴えを家

族の誰かに言葉で正確に伝えることができるだろう。

 

 もう少し早い段階で連れて来てくれれば、まだいくつかの救う手立てがあったの

に、、、と悔やむシーンが日々多すぎる。

 

 先日はお腹をこわした犬が受診。飼い主から飼育状況等、原因となる事柄がな

いかを聞き取りしていると、どうも数日前の夜間の散歩中、草むらに入ってなにか

を食べて、それ以後嘔吐して、次第に下痢症状まで出ているようだとの稟告を得

たが、いったい何を食べたかは犬にしかわからない。こういうときも真顔で犬の目

を見つめて聞いている自分がいる。「なにを食べたか先生に教えてくれないかな」

と。

 

 保険の効かない自由診療のなかでの診察行為が前提の動物医療なので、医療

経済を常に考えての診療行為を実施しなければならない。それなのに肝心の本

人(本犬、本猫)がモノを言ってくれない、という難しい作業であり、次には飼い主

と獣医師とのコミュニケーションの大切さというところにシフトしていくこととなる。

 

 ねこっかわいがりの、診療行為に多くの救いを求める飼い主さんが多い中での

このようなジレンマに挟まれて、診療技術の向上だけでなく、こころから飼い主さ

んの苦しみを取り去る手立てを真剣に考えるということに時間を割く場合が、どう

しても多くなるのだ。

090823_016

野鳥が多く集まる金武町 億首川 コメツキガニが集団で歩く一生懸命な姿もよく

見る

« 時代を感じる | トップページ | 背筋痛 »

ペット」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 話せない動物:

« 時代を感じる | トップページ | 背筋痛 »

2024年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
フォト
無料ブログはココログ