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2009年8月29日 (土)

ドライアイ

 犬の現代病か?

 最近犬のドライアイが増えている。

 これは以前から同様にあったものが、たまたま診断精度の向上に伴って、増え

たのか、病気そのものがなにか環境の変化等に伴って増えたのか、そのどちらか

なのかは今後の研究にまたれるのだろうが、当院でも診断されることが多くなって

いる。

 ごきげんDr.の坪田一男先生(眼科医)がオキュラーサーフィスのなかでも早くか

らドライアイについて研究されている。ヒトの場合は、PC画面の見すぎ、瞬き回数

の減少、画面を見る角度などがおもな原因とされている。シェーグレン病のような

自己免疫病に伴う涙腺へのリンパ球浸潤による機能不全で涙が出なくなる、とい

う例は少ないそうである。イヌのドライアイはこの逆で、免疫介在性疾患による涙

腺の機能不全が多いようである。

 

 壮年期のイヌで、朝粘っこい粘液状の眼脂が付き、ショボショボしている、という

症状で来院することが多い。放置したままに二次障害としての角結膜炎になって

来院することもやはり多い。シルマー試験紙で涙の分泌量を測定すると両眼とも0

分泌なし)、などということもしばしば経験する。涙腺バイオプシーで涙腺を調べ

る、などという検査はしたことはないが、免疫抑制剤を点眼すると改善することが

多いことから、免疫介在性らしい、という治療的診断が得られる。もちろんPCの画

面を注視することはイヌではふつうはない。

 うちのイヌはする、ということであればテレビ局に自薦してくださいませ。

 

 ときおりシルマーティアーテストでは角膜に二次障害を及ぼすほどの低下が見ら

れないのに角膜の状態の悪いイヌがいる。こんなときにスリットランプで観察する

とマイボーム腺という油脂が分泌されるまぶたの縁に並ぶ腺に障害が起きている

場合がある。本来クレーター状に引っ込んでいる開口部が盛り上がっていたり、な

くなっているように見えたりする。こんなときには麻酔下でまぶたを挟んでしぼると

変性して濁った油脂やチーズ状になったものが出てくる。しぼったあとに、1週間

ほど点眼していると腺が復活してくることが多い。正常ならばサラダ油のようなサ

ラサラした油が出てきて、涙の膜の表面張力を形成して角膜表面上に長くとどま

る役目を果たしているのである090825_314

 

 矢印がしぼって出てきた、変性したマイボーム腺の脂

角膜が潤いなく、ガサガサした外観である(乾性角結膜炎) 白目の充血も重度

 食事を自然食に変更すると涙の分泌量が戻ったり、マイボーム腺の働きがよく

ることはこれまで多く経験しているが、まだエビデンスは確立されていない。

 

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