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2009年8月10日 (月)

ワクチンの副反応

8月10日(月)

 ワクチンの副反応について理解しておいていただくと、愛犬・猫の健康管理上有

意義かと思い、ここに紹介したい。

 

 さまざまな伝染性疾患の予防のために過去、多くのワクチンが開発されてきて、

動物の病気予防のために応用され、飼い主さん共々その恩恵に預かってきた歴

史がある。種痘のジェンナーを先駆者として多くの研究者の努力の継続の賜物で

ある。

 

 当院でも相当数のワクチン接種を日常的に実施しているところであるが、時折

接種後に副反応が起きて動物、飼い主さん、そしてわれわれ病院スタッフもヒヤリ

ハットすることがある。

 

 なかでも即時型アレルギーといってIgE(抗体物質)が主役となる反応で接種後

比較的早い時間で現れるアレルギーが多い。顔が腫れたり、蕁麻疹が起きたり、

身体全体が脱力感に襲われたりなどの症状が出る。なかには重篤なアナフィラキ

シーというショック状態に陥る症例もごくまれにあるので注射する側もそんなことを

考えるとおそろしくなる。

 

 一方で遅延型アレルギー反応といって、リンパ球(免疫担当細胞)が介在する、

すこし時間がたってからの反応もある。これは胃腸症状や発熱、倦怠感などさほ

ど重篤ではない症状ですむことが多い。

 

 しかしいずれにしても国が検定し(許可し)ワクチンメーカーが製造したワクチン

を最終的にわれわれ臨床獣医師が身体一般検査上正常と判断する動物に投与

して、副反応が起きた場合に飼い主さんはどこにその責めを求めるのだろうか?

 

 15年前に当院で事故があり、子供さんの多いご家族の前で土下座せんとばか

りに謝罪したことがある。ほんとうにかわいそうなことになってしまった、という思い

からであった。

 

 ところが最近になってワクチン中のアレルギー起因物質が東大の獣医師グルー

プの手によって解明され、当時のわたしの謝罪は「科学的には」必要がなかった

ことがわかった。なるべくしてなり、起こるべくして起こったのである。たまたまアレ

ルギー物質のそれなりに多いワクチンをアレルギーが起こりやすい準備万端の状

態の犬に最終的に投与したのがわたしだった、というだけのことだったのだ。ロシ

アンルーレットで「当たり」の引き金をひいてしまったのだ。

 

 いま現在メーカーは低アレルギーワクチンの製造に努力されていることだろう

し、輸入ワクチンについてもロット毎の測定を国内輸入メーカーは責任をもって実

施してくれているはずなので、15年前と比べようもないほど減少はしている。

 

 しかしつい先日の久米島出張診療でも同腹のゴールデンレトリバーで5匹中1匹

だけ投与直後のアナフィラキシーが生じたのがあったがさいわいエピネフリン投

与で直ちに回復して事なきをえた。

 

 獣医さんに副反応のこともお尋ねして接種するようにこころがけたい。それと診

察時間終了間際の接種は上記の理由から避けた方が良いだろう。

05920_032

 赤瓦屋根の上でシーサーが笑っている久米島の民家。ハイビスカスがやっぱり

合う。

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