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2009年8月28日 (金)

バベシア病

 昨日の症例から

 14歳のメスのラブラドールレトリバー、○ディちゃんが乳腺腫瘍の術前検査を受

けた。3年前に子宮蓄膿症。1年前、マダニが媒介して発病するバベシア病に罹

患して数ヶ月間の治療歴があったが、本病に特徴的な貧血は改善され、その後

飼い主さんご家族が海外に1年間移住されていた間、親戚に預けられていた。ひ

さしぶりの再会を喜んだのもつかの間、身体の異常に飼い主さんが気づいて来院

され、乳腺腫瘍が発見されることになった。

 さて、検査をしてみると、いくつか異常所見が発見された。心電図的にもいくつ

かの異常。脊椎の変性症あり。肺転移像はなきもよう。内臓エコー所見はおおむ

ね正常で、脾臓も腫れていないので安心したのだが、血液塗沫像でバベシア虫体

がちらほら見えるのだ。軽度の貧血(Ht34%)あり。脾臓が腫れていないので、虫

の多さからすると、脾臓の網内系がやや鈍感になっているのかな、という感じを受

ける。共存共栄の状態か?しかし、ここで大きな手術侵襲を加えると一気に虫が

暴れ、網内系も動き出して重度の貧血に陥るのではないか、とのカンが働く。

 

 飼い主さんには、すべての検査所見をお話した上で、ゴールドスタンダード(標

準的治療)の片側全摘出ではなく、局所摘出と腫大したリンパ節の隔清でとどめ

ておきましょうと説明し同意を得た。前後に虫をたたく薬と免疫調整の薬を投与予

定であるが、まだまだ心配な○ディちゃんである。

 

 マダニはただ吸血するというだけでなく、このバベシア原虫を伝染するため要注

意だ。投薬でもなかなか原虫駆除に苦労するし、治ったかに見えても根治に至ら

ずに本症例のように再発の多い病気である。マダニは動物体と環境の駆除の両

方が大切で繋留場所を変更することによる効果は大である。

 

 なお、早期の避妊手術により、乳腺腫瘍は防止できる病気なのでこころがけた

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 中央の大き目の赤血球内に、青く染まるバベシア虫体が見える(周囲は空洞)。

090826_003

 恩納村 ふれあい体験学習センター 観光客向けに体験学習ができる

わたしは玄関横の自販機にて天然水を購入するために利用させていただいてい

る。

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